ドル/円は、ゆるやかな上昇トレンドが継続中です。米国は順調に利上げが進んでいます。一方の日本は、量的質的緩和を継続させる姿勢を維持させたままです。この「米国と日本の金融政策の違い」が意識され、日米金利差拡大が根底にあるため、円安トレンドが支援されています。ドル/円は115円の大台回復が意識され、ゆくゆくは年初の118円台なども視野に入るかもしれません。
ただし、突発的なリスク回避により円高トレンドに急変する可能性もあるので、要注意。投機筋のポジションがどれ位偏っているのか、ポジション現状確認の意味もこめて、FX各社が公開しているポジション保有比率を見ていきたいと思います。(各社データの反映時間にタイムラグがあるので、リアルタイムのポジションでなかったり、7/10営業終了時点のポジションの場合もあり)
↓FXプライムbyGMO
↓外為どっとコム
なお、以下に挙げるOANDA Japanのオープンオーダーとポジション(ドル円)をみると、113~114円台中盤付近で買いポジションも売りポジションも多く建てられ、含み益・含み損の明暗が分かれている。塩漬けポジションが、損切り決済に今後向かうのか要注目。
ちなみに、シカゴ筋のIMMポジション(一週間遅れ)を見ると、円売りポジションの増加が続いている模様。
↓IMMポジション(ドル/円)
一方、くりっく365の為替売買動向は、こんな感じ。
↓くりっく365為替売買動向(USD/JPY)
自動売買系はどうなっているかというと、ミラートレーダーの人気ストラテジーQuickShift(USD/JPY)は今、111.362円で買いポジションを持っている。
いろいろな角度からポジションを分析してみましたが、今の市場の関心事は、これまで緩和方向だった金融政策の「出口戦略」です。緩和的な金融政策が出口に向けて転機を迎えているとの見方が市場で強まっています。順調に利上げを進めている米国はもとより、欧州・英国・カナダなども、緩和縮小や利上げに前向き姿勢が示唆されています。
こうした流れから取り残されていて周回遅れなのが日本。日本円は今後も低金利な通貨だと投機筋から見られているのです。日銀のスタンスが変わらない限り、ドル円・クロス円の円安トレンドがゆったりと支援されていくことも考えられそう。